Enjoyボドゲ勢のチラ裏

Enjoyボドゲ勢がちょろっとプレイしたボドゲを,さらっと紹介し,しれっと戦術考察します?

HANABI(花火)

昨日書くと言って即就寝してしまったので手短に(全然手短ではなかった).

 

1. タイトル: HANABI

夜空に咲くあの花火をテーマにしたボードゲーム.といっても作者は日本人ではない.アントワーヌ・ボウザという人.2013年のドイツ年間ゲーム大賞にて,カードだけの小型作品として初めての受賞を果たしたという [1].

  • プレイ人数: 2~5
  • 所要時間: 30~60(分)
  • 難易度: ルールは簡単,でも頭は使う

ゲームシステムは,インディアンポーカー + 七並べ的な協力ゲーム.協力ゲームというのは,プレイヤー全員が1つの勝利条件を目指してプレイするゲームのこと.パンデミックなどが有名.

2. ストーリー

プレイヤーで力を合わせて夜空に花火を打ち上げよう(小並感).

3. 勝利目的

5色(6色)の花火を打ち上げ,高得点を目指す.

 花火を打ち上げるとは,各色の花火について,1から5まで,順番に場に並べることを指す.1の次に3を出してしまったり,すでに場に出ている数字を出してしまうと失敗.インディアンポーカーのように自分の手札は見られないので,他プレイヤーからヒントを出してもらい,それを元にカードを推理しながら花火を打ち上げていく.

各色の場に出ている最大の数字の和が得点になる.max 25(30)点.

4. プレイ時の注意点

  • ヒントは”これ(ら)は数字の○のカードです”か,”これ(ら)は○色のカードです”の形式でしか出せない.
    • 他プレイヤー1人に対して出す.
    • 該当するカードを全てさして宣言しなければならない.
  • ヒントを出せる回数は,プレイヤー全体で共有するため,無駄遣いできない.
    • 手札のカードを捨てるとヒント回数が1回復する(上限あり).
  • 1は3枚,2~4はそれぞれ2枚,5は1枚なので,使い切ってしまうと完成できない色が出る.
  • 誤ったカードを場に出すと,ペナルティがつく(3回目でゲームオーバー).

5. 考察・感想

基本的には,ヒントを出す → カードを出す → ヒントを出す → ... といったサイクルでこなしていくことになるんだけれど,なんせヒントが限られているので,こんなにうまくは行かない.また,1つのカードに対してヒントを2つずつ出せば確定されるけれど,ヒントの出せる回数が限られているのでそれも難しい.

そこで,カードを捨てること,また,一か八かでカードを場に出してみることが大事.

まず序盤の回復は,ヒントを元にいらないことが確定しているカードを捨てることで行う.もし,そのようなカードが無い場合でも,案外適当に捨てても大丈夫だったりする.”カードを捨てると新たにカードを引けるので情報が増える”,という意味でも大事.

一か八かでカードを出してしまうと,ペナルティがついてしまうリスクがある.しかしペナルティは,回復しないライフと見ることができて,ゲーム中で2回も消費することができる.ゲーム序盤で使うのは戦略的に良くないが,後半は惜しまず出してしまって良いと思う.

あとは,他プレイヤーのヒントから意図を察して,適切なカードを場に出そう.

 

このボードゲームは,協力ゲームの問題点である”奉行問題”を,ゲームシステムで華麗に回避したゲーム.”奉行問題”とは,1人の熟練したプレイヤーが”あれやってこれやって”と指示を出し,他プレイヤーは(その指示が最適なので)指示に従う他やることが無いような状態のことをいう.HANABIでは,自身のカードの情報が欠落しているので,奉行問題は発生し得ない.

奉行問題の解決法は他にもいくつかあるが(自分が知っているのは成敗のみ),こんなに簡潔に奉行問題を解決しているのは無いと思う.

ただし,ゲームシステム上,どうしても他プレイヤーの意図を察する能力が求められるのがちょっと残念なところ.

”こんなボードゲームもあるんだな”ということを知るためだけでも,価値のあるボードゲーム

参考資料 [1] Hoby JAPAN, "HANABI 花火  多言語版", https://hobbyjapan.co.jp/hanabi/