Enjoyボドゲ勢のチラ裏

Enjoyボドゲ勢がちょろっとプレイしたボドゲを,さらっと紹介し,しれっと戦術考察します?

ワンナイト人狼

一般的な人狼GMが必要だったり,プレイヤーがゲームの途中で脱落してしまったりする欠点を抱えているけれども,ワンナイト人狼はそれらの欠点を改善しつつも,人狼が持つ白熱した議論が可能なボードゲーム

1. ワンナイト人狼

同人生まれの人狼ゲーム.作者はオオカミさん@1nite_jinro).あの重たい人狼を,わずか10分で,しかも3~7人の少人数(体感適正人数:4~6)でプレイ可能である.

2. ストーリー

ある小さな村に,人の皮を被った狼,人狼が数匹紛れ込んだ.かれらは他の村人と区別がつかないのを良いことに,次々と村人を食い殺していった.今,村人は(人狼を含めて)残すところ数人.村人は力を合わせて,紛れ込んだ人狼を処刑するための最後の議論を始める……

3. 勝利目的

村人Side: 人狼の処刑,人狼が居ないときは誰も処刑しない

人狼Side: 人狼が一人も処刑されない

4. プレイ時の注意点

  • プレイ時間がとても短い
    • 占い師,怪盗から得られる情報も1回しか無い
  • 怪盗の存在
    • 元々人狼だったとしても,怪盗に役職を奪われているかもしれない
  • 沈黙は人狼
    • 黙ることは人狼にもできる ⇒ 安易に疑われてしまう
    • 喋った方が情報を{集める/発信する}上で絶対に良い

5. 考察・感想

まず,4にも書いた通り,とにかく時間が短いのでとにかく喋ろう.喋ることによって人狼じゃないかと疑われることももちろんあるのだけれど,だからといって喋らなければ人狼か村人か,半々の信頼度になってしまう.運ゲーをするくらいなら,疑われる覚悟で喋った方が絶対面白い

持論だが,”村人に見える人狼はとても手強く,人狼のような動きをする村人はゴミ”だ.ここでいう”人狼のような動きをする村人”とは,人狼と疑われることを恐れて黙ってしまう村人のことを指す.黙っていることは人狼にとって好都合(ボロを出さないでいられる)なので,そのような隙は与えず,自分は喋り,人狼にもたくさん喋らせよう.

また,一般的な人狼と異なり,必ずしも村人Sideは真実を喋ることが最適な行動とは限らない.例えば,”中央の山には人狼と怪盗が埋まっている”という情報を占い師が得たとき,それをそのまま議論で共有しては,”中央の山には人狼と怪盗が埋まっている”と”私は占い師である”という2つの情報しか周りに発信できない.このとき,”中央の山には人狼と村人が埋まっている”といった情報を共有すると,”怪盗の存在を恐れる人狼がボロを出す”という新たな情報が得られるかもしれない.

どんな嘘の情報をいえば良いかといえば場合によるとしかいえないが,”この情報を共有すると{人狼 | 占い師 | 怪盗 | 村人}は何を考え,どう行動するか”を考えておくと,有意義な嘘の情報になる.

関連して,上級者と対面でワンナイト人狼をやったときに感じたことは,彼らは情報を引き出すのが非常にうまい.まずは適当なプレイヤーに揺さぶりをかけ,反応を見てそのプレイヤーがどの役職なのかを推理している.”村人じゃなければ,そこまで深く考察した言葉が出てはこない”だとか,”人狼は吊られたくないから,僕の発言を甘んじて受け入れたんだろう”といったような,鋭い読み合いをよく見る(彼らはこの鋭い読み合いのことを”考察を伸ばす”というように言っている).これを,全員に対してやって情報を集めるのだから,彼らの頭の回転速度は本当に早すぎると思う.

まとめると,高々10分しかかからないとてもライトなゲームなのに,そこで生じる議論はとてつもなく深く,白熱することもある.白熱した議論をするには,まず,とにかく喋ることが必要である.喋らないとワンナイト人狼としての面白さが失われ,単なる運ゲーにすらなり得る.初めてやる人や,初心者はこれを意識するだけでも面白さが分かってくると思う.多少変なことを言っても,周囲のプレイヤーが汲み取ってくれることもあるので,物怖じせず喋ろう!

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